社長の為のじょりじょりわかる!税理士ブログ

ややこしいことを、ややこしくなく

会社債権者はどっちだ⁉ の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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鬼はどっちだ⁉

鬼ごっこってありますよね。子どもの頃よく遊びました。今はやりませんが。───さて、ここで問題。鬼は逃げるほうでしょうか? それとも追いかけるほう? 今、大人になって、急にそう問われたら、どっちだったかいな。よくわからなくなりませんか。

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会社債権者はどっちだ⁉

会社法には、債権者保護なる考え方があります。守るべきは、会社債権者。

会社には、お金を支払わなければならない相手と、逆にこちらがお金をもらえる相手がいます。仕入先と売上先です。

「会社債権者」といったら、それはどっちのこと? 急にそう問われたら、どっちだったかいな。一瞬迷います。仕入先かな。それとも売上先か。

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債権者はどっちだ⁉

債権者とは、債権を持っている人のこと。こう考えればOK。登場人物のうち、債権を持っているのは、その会社と仕入先です。債権者の候補は2社。でも、自分のことを債権者なんて言わない。ましてや、債権者保護で自分を保護しない。つまり、「会社債権者」といったとき、当てはまるのは仕入先。その会社がお金を支払わなければならない相手のこと、なんですね!

会社は減資(資本金を減らすこと)をするときは、債権者保護手続きをとらなければなりません。具体的には、減資するから文句があったら言ってね、と債権者に伝える必要があるのです。

減資をすると資金が株主に流れてしまって、債権者への支払いに支障が生ずる可能性があります。そこで、会社法は、債権者を守るため、減資の際は債権者が異議を述べる機会を与えているのです。

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*追いかけるほうが鬼、ですよね。




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よかれと思ってやったら奥さんの資産を増やし、でもお金は増えないので感謝はされず、税金はかかるという話、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


会社が社長から借りている社長借入金。社長からすれば貸付金。将来、社長が亡くなったとき相続税がかかります。それがいやなら、社長借入金をなくすしかない。

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社長借入金をなくすのは簡単

社長借入金は、当の社長が放棄をすればすぐになくなります。その場合は会社に利益が発生するので、法人税がかかる。でも、利益が繰越欠損金の範囲内ならその心配なし。めでたし。めでたし。と思いきや───。

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放棄によって会社の純資産が増える

将来の相続税対策として、社長が貸付金を放棄しました。それは、会社にとっては借入金がなくなる話。借入金がなくなれば、会社の純資産なるものが増えます。純資産は過去からの利益の塊。これが増える。

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増えてもいいんじゃない? 欠損金で法人税はかからないんだから。こう思いますかね? そのとおり。利益が出ても欠損金があれば、税金はかからない。それは正しい。一方、利益が出れば純資産が増える。これもまた間違いのない事実(※)なんですね。

(※)もともと純資産がマイナスのときは、マイナスが少なくなるだけの場合はあります。

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それは贈与だ。贈与税だ!

社長の貸付金放棄によって、会社の純資産が増えます。純資産が誰のものかといえば、じつは、株主のもの。社長のものではありません。もし、株主が奥さんだったら・・・。

なんと、貸付金の放棄は、社長から奥さんへの贈与になってしまう。社長が放棄したことによって、奥さんのもの(=純資産)が増えるんですから。

理屈ではそうです。でも、奥さんの日常に変わりはなく、自分の資産が増えたなんて感覚はない(当たり前ですよね。目に見えるお金が増えたわけではありませんから)。もちろん、お陰で私の資産が増えたわ~。あなた、ありがとう! こうなる可能性はゼロ。
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*こうなる可能性はない。いや、その前に自分の資産が増えたなんてことに思いが至らないのがふつう、ですよね。

それでも、税金の世界では、一連のことは贈与とみなされるんですね。贈与には贈与税がつきもの。つまり、奥さんに贈与税がかかる!

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それは贈与だ! 贈与税だ!

そもそも、なんで社長は貸付金を放棄したんでしたっけ? そう、相続税を減らそうと思ったんですよね。つまり、よかれと思ってやったこと。ところが───それが、奥さんの資産を増やし、でも奥さんのお金は増えないので感謝はされず、税金はかかるということに。

社長。 あなたが会社へ貸しているお金を放棄することは簡単。それで、相続財産は減ります。でも、それだけじゃなく、他の税金のことも十分検討した上での実行を!


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社長借入金を放棄してもらえば利益になって・・・でも欠損金があれば大丈夫って聞いたけどそれ本当? の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


会社が社長から借りている社長借入金。社長からすれば貸付金。将来、社長が亡くなったとき相続税がかかります。それがいやなら、社長借入金をなくすしかない。


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社長借入金をなくすのは簡単

じつは、社長借入金をなくすのは簡単。貸し手である社長が意思表示さえしてくれれば、手間いらず、お金もかからず、即効性のある方法があります。それは───、社長による貸付金の放棄。

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 *貸付金の放棄は契約ではありません。一方的な意思表示でいいのです。

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放棄は会社の利益になって税金がかかる

これで、社長が「いらん」との意思表示をした分の社長借入金はなくなります。社長は返してもらえなくなりました。でも、もともと返済なんて期待していないし。それよりなにより、相続税の節税ができた。めでたし。めでたし。んっ? たしかに将来の相続財産は減った。でも、なにか見落としていないか?

そう、会社に対する税金です。会社には、もともと社長に返さなければいけない借金がありました。社長が放棄してくれたので、それを返さなくてよくなった。会社はトクしたといえます。それは利益。つまり、会社に法人税がかかるのです。
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う~む。相続税が節税になったかとおもえば、法人税がかかるとは。よくできているわい。・・・・・んっ? 感心している場合じゃないぞ。たしかに利益になる。利益にはなるけど、なにか見落としているような気がします。

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でも、繰越の欠損金があれば税金がかからない。でも・・・

そう、繰越欠損金です。会社に、もしも、過去から繰り越してきた欠損金があれば・・・。それと利益をぶつけることができます。結果、利益が繰越欠損金の範囲内であれば、法人税はかかりません。
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ふ~。これで、税金なしで、将来の相続財産を減らせたというわけだ。めでたし。めでたし。うん。 たしかにそのとおり。でも、なにか見落としているような気がしないでもないのは、気のせいか?

(ということで、まだ何かある場合、つづきにて)



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マネ会に寄稿しましたⅡ 今回のテーマは給与明細、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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マネ会に寄稿しましたⅡ

CyberSS様が運営するメディア、マネ会に寄稿しました。2018年2月1日につづいて2回目です。マネ会のテーマは、〝みんなでお金について考える〟。ということで、お金に関係する仕事をしている私にも、執筆のお鉢が回ってきたというわけです。ぜひ、覗いてみてくださいね。

hikakujoho.com

今回のテーマは、給与明細書の見方。時期的に、今はあたらしく社会に飛び出した社会人が初めての給与をもらった頃です。テーマとしてよかろうということで、給与明細の見方───おもには、給与から控除されるあれこれ───を探ってみました。

もちろん、この記事を読めば給与計算ができるようになる。そんな壮大な目標をもって書いたものではありません。

念頭に置いたのは、関心をもってもらいたいということ。給与明細をもらっても、一番下の手取りが額だけ見ておしまい。そうではなく、まずは控除の仕組みを知る。仕組みを知れば関心が湧きます。関心が湧けば、控除されたお金がどこへ行って、どのように使われるか知りたくなる(はず)。そのための第一歩になれば・・・。そんなことを考えながら、執筆しました。

目標がちょっとでも達成できたのならいいんですが・・・。

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 *ダメですな。寝ちゃってますがな。



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社長借入金は、時限爆弾(?)の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


中小企業の場合、会社に代表者からの借入金があることは珍しくありません(つまり、よくあるわけですね。ここでは社長借入金と呼びましょう)。じつは、社長借入金、今はあってもいいけど、将来やっかい・・・・・

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税務署の目、銀行の目

社長借入金について、税務署がとやかく言うことはあまりないでしょう。悪質な脱税の隠れ蓑につかうなんて不届き者は別にして、そうでなければ、会社の利益に影響しない社長借入金自体には、税務署は興味がないはず。

銀行の目はどうでしょう? 銀行は、ずっと塩漬けになっている社長からの借入金は、借入金(=負債)ではなく、返済不要の資本とみてくれることがあります。その場合、社長借入金はマイナス項目ではありません。つまり、あまり気にするものではないというわけ。

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 *社長借入金は、税務署も銀行も気にしていない(?)

・・・やっかいじゃないじゃん。社長借入金は、税務署からも銀行からもそういう目で見られるなら。中小企業にとって、二大気にしなきゃならない相手先の税務署と銀行がそうなら、役員借入金なんてほっぽっとけばいい。と、こう思いたくなりますかね。いや、でも、じつは───。

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社長借入金は、時限爆弾(?)

社長借入金は、裏を返せば貸付金。当の社長本人にとっては会社に対する貸付債権です。ということは社長が亡くなれば、それは遺産として相続税の課税対象となるというわけ。

数年前の基礎控除の大幅削減によって、相続税は身近な税金になりました。やっかいなのは、その貸付金を返してもらえる可能性が、低いということ。ず~~と塩漬けになっていた貸付金です。それが、社長が亡くなって、遺族が返してもらえるかといえば、その可能性は低い。

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返ってくる可能性の低いのに(つまりお金がないのに)、それに対して相続税がかかってしまう。やっかいですよね。どうにかしたくなります。このまま放置はよくない。今はいいけど、将来困る。時限爆弾みたいです。


この問題を解決するために、社長が貸付金を放棄するという方法があります。手間もいらなければ、費用もかからず。しかも、即効性あり。そんないい方法があるなら、早くやらなくちゃ!───おっと、ちょっとお待ちを!



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激変緩和措置が欲しい、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


1円。たった1円。それだけの違い。

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ホニャララ円以下なら優遇措置あり

ホニャララ円以下なら、税制の優遇措置あり。税金の世界にはこんな決まりがよくあります。何かがホニャララ円までなら優遇措置が受けられるけど、1円でも超えると受けられないというわけ。

その差は、1円。1円の違いで優遇措置がとたんに受けられなくなる。1円の違いで税金がガラッと変わってしまう。その1円をどうにかしちゃおう。つまり、なかったことにしよう。こんなことを考える不届き者は論外としても、なんとなく理不尽で不条理で、もののあはれを感じてしまいます。どうにかならないでしょうか?

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 *1円の違いで急にこうなる!

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激変緩和措置があれば・・・

激変緩和措置なるものがありますよね。急激な変化を和らげるショックアブソーバーのようなもの。そうだ! 激変緩和措置があればいい!

所得税に、配偶者特別控除なる制度があります。配偶者の所得が基準より多かったときに、配偶者控除がただちにゼロになってしまうことを防ぐ制度です。でも・・・、そんな激変緩和措置が張り巡らされていることはなく、パッと思いつく税金の世界での激変緩和措置はそれくらい(かつては消費税に限界控除制度なる激変緩和措置がありました。いまはありません)。

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 *これが激変緩和措置だ!


優遇措置にはなんらかの基準を設けざるを得ません。それがなければ、優遇措置にはなりませんからね。基準は数であることが多いでしょう。であれば、その数を1超えたら世界が変わってしまうのは〝仕方ないこと〟ですかね。

理論的にどうかと置いといて、心情的には、税金の決まりに激変緩和措置があればなあ、とおもってしまいます。1円でガラッと変わってしまう世界を見るにつけ。



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日米租税制度比較論序説、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


最長10年、最低限残す黒字は50%。かたや、無期限、最低限残す黒字は20%。

さて、これがなにかといえば、日米の法人税における欠損金繰越制度の比較です。前者が日本。後者がアメリカ。

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欠損金、将来へ持っていける期間は?

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日本では、欠損金が出た場合(赤字になったときですね)、それを将来に持っていける期間は、最長10年です。第1期、赤字が出た。第2期は黒字。第2期は黒字と赤字を相殺する。残った赤字は第3期以降へ。こういう具合に将来に持っていける期間が10年というわけです。もし、10年経っても相殺しきれない赤字が残っていたら・・・。それは切り捨て。なかったことになります。

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対して、アメリカ。こちらは期限なし。無制限で赤字を繰り越していけます。つまり、なかったことになる金額はありえないというわけです。

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黒字と相殺することのできる金額は?

繰り越していける期間はアメリカのほうが有利ですね。では、実際にどのくらい黒字と相殺できるのかいうと───

■前期からの繰り越してきた赤字:200、当期の黒字:80
繰り越してきた赤字のほうが大きいので、当期の黒字は相殺されてゼロになる。素直に考えればこうなります。でも、じつは日米とも、それはできないんですね。赤字と相殺後、最低限残すべき黒字が決まっているのです。

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最低限、黒字の50%を残す。ゆえに当期の黒字は40。相殺した赤字は40。次期繰り越し欠損金は160。
*ただし、中小企業にはこのような制限はありません。相殺によって黒字をゼロにすることができます。中小企業は優遇されているわけですね。

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最低限、黒字の20%を残す。ゆえに当期の黒字は16。相殺した赤字は64。次期繰り越し欠損金は136。
*日本のような中小企業に対する優遇措置があるか? 残念ながら不明でした。


ということで、欠損金については、繰り越していける期間、相殺することのできる金額、どちらをとってもアメリカのほうが有利なようですね。
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 *男「ちょっといまからアメリカ行って会社設立してくる」

でも、これは表面的な比較でしかありません。日米は課税ベースが異なるので、単純な比較は意味ないのです(この期に及んでそれを言う)。



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