社長の為のじょりじょりわかる!税理士ブログ

ややこしいことを、ややこしくなく

法人税の申告延長が認められるやむを得ない理由、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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法人税には、一律の申告期限延長はない

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新型コロナウイルス感染症の影響により、2019年分(令和1年分)所得税の確定申告期限は一律1か月延長されています。

一方、法人税においては、所得税のような一律の申告期限延長は手当てされていません。したがって、たとえば2月決算法人なら、原則どおり、2か月後の4月末日が申告期限になります。

中小企業は、今回の感染症の影響を特に強く受けます。法人税の申告において、なんらかの救済措置はないんでしょうか。

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個別の申告期限延長制度がある

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法人税の申告には、災害その他やむを得ない理由による個別延長制度があります。そのやむを得ない理由に、新型コロナウイルス感染症の影響も含まれるんですね。

具体的には、つぎのような理由により通常の業務体制が維持できなくなった場合には、申告期限の延長が認められます。

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● 学校の臨時休業の影響や、社員に休暇取得の勧奨をしたことで、多くの社員が休暇していること
● 社員が感染症に感染した、または感染症の患者と濃厚接触した事実があり、社内を相当の期間、閉鎖しなければならなくなったこと
● 申告を依頼している税理士(事務所の職員を含む)が感染症に感染したこと

◆ ◆ ◆

個別延長を受ける場合は、定められた「申請書」の提出が必要です。ただし、今回の感染症に関連する場合は、申告を行う際に、延長をする旨・今回の感染症に関連して申告ができない具体的な事実を申告書の余白に付記することでも認められるようです。



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納税義務者はだれ? の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


税金には納税義務者がいます。納税義務者とは、税金の納付の義務を負う人や団体のこと。だれに対して義務を負うのかといえば───国税なら税務署に対してだし、地方税なら各地方自治体に対して、ということになります。

税金にはいろいろな種類があります。税金ごとの具体的な納税義務者はいったいだれでしょう?

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所得税と法人税

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まず、所得税。所得税の納税義務者は所得、つまり儲けを得た個人ですね。法人税は? もちろん、その法人が法人税の納税義務者になります。

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相続税

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つづいて相続税。うっかりすると被相続人(=亡くなった人)と答えてしまいそうです。相続税は、亡くなった人の遺産に対してかかります。でも、納税義務者は遺産を引き継いだ個人。亡くなった人は、どんなにがんばっても税金を納付することはできませんからね。

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消費税

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では、最後。消費税は? これまたうっかりすると消費者だと答えてしまいがち。私たち消費者は消費税を払っています。2019年9月までは8%、10月からは10%、キッチリと支払っている。間違いありません。でも、誰ひとりとして税務署に消費税を納税しに行った人はいないはず。どんなうっかり者でもそんなことはしません。
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ということで、消費税の納税義務者は、消費者ではなく、消費税を預かった事業者ということになります。

◆ ◆ ◆

日本の税金は、申告納税方式が基本です。上の税金もすべてそう。納税義務者自らが、自分の税金はいくらいくらと計算をして、申告と納税をします。よく “税金が来る” という言い方をしますよね。でも、税金は、どこからも来ない。納税義務者が申告して金額を確定させ、それを納付するのです。



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いつもどおりのことを淡々と、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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いつもどおりのことを淡々と

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いまは非常時ともいえる世の中です。

2011年の東日本大震災。そのときも非常時でした。当時、ある社長が口にしたひと言が印象に残っています。いわく───非常時だからこそ普段どおりのことをしなくちゃいけないんだ───

今回もそう。特別なことはしなくていい。いや、できない。新薬やワクチンの開発はムリ。ならば、自分のできることをしっかりとやっていくしかありません。普段どおりに。いつもどおりのことを淡々と。

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脱税工作人A氏への手数料は経費になるか、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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脱税工作人氏への手数料は経費になるか

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あなたは、脱税工作人A氏に脱税工作を依頼し、ウソの領収書を手に入れました。うむ。これで税金が少なくなるわい。満足したあなたは、ある約束を思い出します。そうそう、脱税工作人A氏に手数料を払わなくちゃね。あなたは約束していた手数料を支払い、律儀にも領収書をもらました。こちらの領収書は、正真正銘の領収書です。

ではここで問題。脱税工作人A氏に支払った手数料は、経費になるんでしょうか。

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その手数料には、もとになった事実がある

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脱税工作人A氏につくってもらったウソの領収書は、もちろん経費になりません。なるはずがない。当たり前ですね。

一方、脱税工作人A氏に対する手数料は・・・その手数料には裏付けがあります。

まず、あなたは脱税工作人A氏に脱税工作を依頼し、脱税工作人A氏はそれを受諾しました。契約の成立です。つぎに、あなたは脱税工作人A氏から脱税工作という役務の提供──成果物としてウソの領収書の引き渡し──を受けました。脱税工作人A氏の任務は完了し、その仕事に満足したあなたは、手数料を支払った。非の打ちどころのない展開です。さらに、その金額は独立した事業者同士の、需要と供給の中で成立した適正な価格だったとしましょう。

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経費にして、まったく問題なさそうな気がします。もとになった事実があるわけですから。消費税では仕入税額控除しても問題ないとさえ思えます。でも、倫理的には??

さて、あなたはどう思いますか。脱税工作人A氏に支払った手数料、経費になると思いますか。それとも・・・

この問題については、じつはすでに最高裁において答えが出ています。答えは “ならない”。理由は───ウソの領収書による処理は、公正妥当な会計処理じゃないからダメなのは当然として、公正妥当な会計処理にならない処理のための費用もまた、それを経費にすることは公正妥当な会計処理とはいえないから、経費にならない。・・・うむ。ちょっとなに言っているのかよくわからない。




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心臓に悪い、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


ご存知のとおり、2019年分(令和1年分)所得税の確定申告の期限は、1か月延びています。新しい申告期限は、2020年4月16日です。

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期限内申告欄には、〇または✖がつく

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わたしの事務所は、電子申告。お客さんの申告をするときは、紙の申告書を税務署へ持っていくのではなく、データとして送信しています。

以下は、わたしの事務所が使っている電子申告システムのお話。

そのシステムには、期限内申告欄なるものがあります。その欄には、〇がついたり✖がついたりするんですね。もちろん、期限内に電子申告したときは〇。期限を過ぎての電子申告の場合は✖がつきます。△はありません。

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心臓に悪い

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では、たとえば、3月19日に電子申告したときは、〇がつくか、✖がつくか。まだ期限内なので〇がつくはず。〇がつくに違いない。〇に決まった。こう思っていたところ、なんと、ついたのは✖。ドキリとします。

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システムは、3月19日の申告は期限内申告ではないと判断したわけです。確定申告期限の延長なんて、自分だけが見た白日夢で、じつはそんなことないんじゃないか。世間で確定申告の延長なんて口にしたら、きみどうした? と言われてしまうんじゃないか。一瞬こんなことが頭をよぎる。なんといっても、我が信用するシステムが✖をつけたんだから。

いやいや、もちろんそんなことはなく、申告期限は4月16日です。まちがいありませんよ。急なことでシステム改修が間に合っていないことは十分理解しています・・・でも、そうはいっても期限内申告欄の✖は、やっぱり心臓に悪い⁉



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あたらしいグループ通算制度には、唯一やめられる時がある! の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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連結納税は、グループ通算制度へ

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法人税の世界に連結納税なる制度があります。100%親子関係にある複数の法人から成るグループを、あたかも一つの法人であるかのように捉えて、グループ全体で法人税の計算をする。こんな制度です。その連結納税に対する声は───

いわく。面倒。いわく。煩雑。いわく。複雑怪奇。要するに、評判が悪い。

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そんな連結納税が、変わります。名前も「グループ通算制度」となり、新しい制度に。新しい制度におけるキーワードは事務負担の軽減です。連結納税での評判の悪さ──面倒・煩雑・複雑怪奇──が取り除かれます。つまり、グループ通算制度は事務負担の軽減を目指す。

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グループ通算制度にはやめられるタイミングがある!

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グループ通算制度になるのは、2年後(2022年度から)です。だいぶ間がありますね。まだのんびりしていても大丈夫? いえいえ、じつは検討すべきことが一つあります。それは、グループ通算制度をつづけるかどうか、ということ。

今よりよくなるとはいえ、グループ通算制度は、ふつうの制度(グループ内の個々の会社がそれぞれ勝手に税金計算する制度)に比べて、その事務負担は大きい。なので、本音をいえばやめたい。ふつうの制度に戻りたい。こう思っても簡単にやめさせてくれないのが今の制度。ところが───、

今、連結納税を採用しているグループは、なにもしなければそのままグループ通算制度に移行します。でも、移行する2年後のタイミングでのみ、グループ通算制度をやめることができるんですね。

◆ ◆ ◆

これからも未来永劫この事務負担が大きいグループ通算制度と付き合っていく気持ちになれない。こんなグループ会社はぜひ、継続についてのご検討を。もちろん、検討の際のもう一つの材料は、グループ通算制度の節税効果(*)であることはいうまでもありませんね。

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*これができるのは、グループ通算制度に移行するタイミングのみ

(*)
グループ内のある会社の赤字をグループ全体の利益と通算して、全体としての税金を減らす。この節税効果が、グループ通算制度の唯一にして最大のメリット。




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今日は、もともとの確定申告最終の日、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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今日は、もともとの確定申告最終の日

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今日は、2020年3月16日。もともとの、2019年分(令和1年分)所得税確定申告の最終日です。でも、みなさんご存知のとおり、今回の確定申告の期限は1か月延びました。今日のために用意していた(?)このイラストも1か月先へと持ち越しましょう。

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ということで、新しい確定申告の期限は、4月16日です。

◆ ◆ ◆

ただし、本来確定申告をする必要がない人が、税金の還付を受けるための申告(典型的にはサラリーマン・ウーマンの医療費控除の申告ですね)をする場合は、この期限に縛られません。5年間OKです。2019年分については、5年後すなわち2024年(令和6年)の年末までが期限。それまでに申告をすれば、税金の還付を受けられるのです。

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*なにもしなければ、それはそれで構わない。つまり、確定申告をする義務はない。でも、税金の還付を受けるために、あえて申告をする人々。こんな人々には5年間の時間的余裕があるのだ!



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