社長の為のじょりじょりわかる!税理士ブログ

ややこしいことを、ややこしくなく

季節外れの年末調整、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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季節外れの大掃除

年末の大掃除を11月にするというかたに会ったことがあります。季節外れの(というほどでもないか)の大掃除というわけです。でも、なぜその時期に? 理由を聞くと、答えて曰く。12月は忙しいから。なるほど。12月はなにかとせわしない。その前に大掃除を片付けておこうということか。なんとなく納得ですかね?

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*「忙しくなる前に大掃除を片付けておくのだ」

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季節外れの、真夏の年末調整だってある

年末といえば、私たちの業界には12月に一大イベントがあります。

年末調整です。

年末調整といえばその名のとおり、年末(=12月)に行うものと相場は決まっている。だから12月の一大イベントになるわけで・・・といいたいところですけど、季節外れの大掃除があるように、季節外れの年末調整だってあるんです。

年末調整は、その会社がその年最後に給与を支払うときにすることになっています。その年最後の給与は人によって違う。多くの人の場合、12月分給与が最後です。でも、年の途中で会社をやめた人───たとえば8月で会社をやめた人───には、その会社がその年最後に給与を支払うのは8月。ゆえに8月に年末調整を行う。季節外れの(この場合、真夏の)年末調整がありえるゆえんです。

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◆ ◆ ◆

はて? 我が社では、辞めていく社員に年末調整なんてしていないけど。こんな会社が多いかもしれません。じつは、それはいけないことなんですね。いけないことだけど、許される場合がある。その理由は次回の記事で。



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非常用食品の用途はホニャララにあり、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


多発する自然災害。それに備えて、家庭に非常用食品を備蓄しているかたも多いことでしょう。非常用食品の進化はめざましく、なかには保存期間が25年(!)という超長期のものもあるんだとか。

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非常用食料は、いつの経費?

そんな非常用食品を会社で備蓄すれば、もちろん会社の経費。

会社の備品は、それを事業の用に供した日の属する年度の経費になります。事業の用に供した日とは、ひらたくいえば "使い始めた日"。はて? 非常用食品を "使う" とは・・・もしかして、食べた日のことかな。

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*この瞬間に事業の用に供したことになる?

とすると、25年間なにも起こらず、ふたを開けて食べるのが25年後なら、会社の経費になるのは25年後! それはまたずいぶんと気が遠くなるような話じゃないか。

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非常用食料の用途は、備蓄にあり

いやいや、もちろんそんなことはありません。理由をひと言で表せば、

── 非常用食品の用途は "備蓄" にあるから ──

非常用食品は、使われずに備蓄されていること自体が "使った" ことになるわけです。食べずとも役に立つなり非常食。つまり、備蓄を始めた日イコール事業の用に供した日。

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ということで、非常用食品を経費にするのは、備蓄を始めた年度でOKです(まあ、当たり前ですかね)。

◆ ◆ ◆

そんな経理処理は別にして、非常用食品は、結局その必要はなかった。それに頼らずに済んだ。こうなるのが一番なのはいうまでもありませんよね。



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量子コンピュータさん、あなたは私たちの仕事を奪うんですか、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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コンピュータで業務処理なんてすごい!

i今を去ることン十年前。私が会計事務所の世界にはじめて入って、ある事務所の面接を受けたときのこと。所長がこうおっしゃいました。曰く。うちの事務所の仕事は、コンピュータで処理しているんだ。それを聞いて、いろいろなことを知らない私が思ったことは───

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もちろん、おれがいろいろやらなくていいなんてことなく、今振り返ると、コンピュータ処理といっても牧歌的な(?)ものでした。

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量子コンピュータはすごい‼

最近、量子コンピュータの話題が新聞紙上をにぎわせています。それによると、現在最先端のスーパーコンピュータが1万年(!)かかる計算を、量子コンピュータだとわずか3分(!)でできるらしい。それが実証されたらしいんですね。

そうはいっても、その実用化にはまだまだ時間がかかる。でも、実用化されれば世界は一変。まさに、若き日の私が思ったような "おれがいろいろやらなくていい日" が実現するのかな。・・・いや、待てよ。それはまさしく、最近よく耳にする、AIに仕事を奪われるということじゃないか!

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AIは私たちの仕事を奪うか

私は、会計事務所の仕事はAIに奪われるとは思っていません。

でも、コンピュータの世界の進歩は、想像をはるかに超えている。何かとんでもないことができるようになるのか・・・やっぱり私たちは仕事を奪われちゃうのかな。う~ん。むずかしくてよくわからない。

量子コンピュータに聞いてみようか。

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*答を知るのが怖い?



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耐用年数、間違えていたら変えてもいい、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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耐用年数は不変に限る(?)

会社が持っている固定資産は、耐用年数なるものに応じて、毎年毎年すこしづつ経費にしていきます。減価償却というやつですね。減価償却でカギになるのは、もちろん耐用年数。耐用年数は、固定資産を買ったときに決めます。

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で、一度決めたら、その固定資産がなくなるまで、ずっ~と同じ耐用年数で減価償却しつづけなければならない。途中で変えるなんてもってのほか。とくに耐用年数を短くした日には、減価償却が大きくなって利益が減って、結果税金が減る。税務署が黙っていない気がします。つまり、耐用年数は不変に限る・・・

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間違っていたら変えてもいい

耐用年数は不変に限る・・・いや、じつは、場合によっては耐用年数を変えてもいいときがあるんですね。それは───、最初に決めた耐用年数が間違っていたとき。間違っているんだから、それを正しいものにして、正しい減価償却をするのに遠慮はいらないのです。

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*間違えていたので、2年に変更OK!

◆ ◆ ◆

耐用年数を途中で変えるなんて、いけないことをしたような気になります。でも、必ずしもそうではありませんでした。ただし!

変えられるのは "今後" の話。過去にさかのぼって変えることはできません。また、中古資産のときは変更不可。変えられるのは、新品で買った資産に限るのでご注意を。



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お嫁さんの無償の愛に報いる制度をつくってあげよう ──その名も特別の寄与── の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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特別の寄与なる制度ができた!

民法に、あたらしく "特別の寄与" なる制度ができました。典型例はつぎのケース。このようなケースにおいて、長男のお嫁さんの貢献に報いるための制度です。

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*長男は亡くなった。でも、長男のお嫁さんは、今も変わらず義父の療養看護につとめている。

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今までは・・・

f:id:taxjolly:20191025082221p:plain:w30(おじいさん)が亡くなっても、
f:id:taxjolly:20191025082228p:plain:w30(お嫁さん)は、おじいさんの遺産を一切手にできません。どんなにお嫁さんが無償の愛でおじいさんの療養看護に尽くし、どんなにおじいさんの財産の維持に貢献があったとしてもです。なぜなら────、お嫁さんはおじいさんの相続人ではないから。

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これからは・・・

それはまことにもって遺憾である。ぜひお嫁さんの無償の愛、すなわち療養看護に報いる制度をつくってあげよう。でも、報いるといっても、お嫁さんを相続人に加えるのは制度的にやっかいです。その代わり・・・そうだ! お嫁さんが別の方法でお金を手にできる道筋をつくってあげればいいじゃないか。名づけて、特別の寄与だ!

ということでできたのが特別の寄与。特別の寄与では、お嫁さんは、おじいさんの相続人に特別の寄与料を請求することができます。

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*このケースでの請求先は長女・次男。お嫁さんにとっては義理の兄弟姉妹ということになるわけで、請求の相手先としてはなかなか手ごわい、もとい、請求しづらい(?)

◆ ◆ ◆

これでお嫁さんもその労に報いられることになり、ある意味公平になりました。

そうそう、忘れてならないのは税金のこと。お嫁さんが手にするお金には相続税がかかります。一方お金を支払う長女・次男はというと、その支払ったお金は相続税の計算過程で控除されることに。こちらも公平、ですかね。




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粗利って何、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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御社の粗利(あらり)は?

定義が定まっていない言葉ってありますよね。会計の実務の世界では "粗利(あらり)"もそう。この "粗利" という言葉、皆よく使うけれど、定義があいまいで、人によって中身が違うような気がします。たとえばこんなとき───

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粗利って何?

銀行の人は、
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と考え、


社長は、
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と思い、


会計事務所の人は、
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と理解している。


三者三様。金額はバラバラ。これでは話がかみ合いません。でも、表面的にはかみ合った風を3人が演じている。これは結構ゆゆしき問題です。

さて、あなたの考える粗利って何?


*会計事務所の人がいう変動費とは?
売上に比例して増減する費用のこと。典型は「仕入」や「外注費」です。ただし、それらに限るわけではなく、会社によってさまざまな変動費があります。

 


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「社長の知り合いかい? 安くしとくよ」でダブルの課税、の巻

◆前回のあらすじ◆
会社が、社長の知り合いに土地を売った。価格は30円。でも、その土地の相場(いわゆる時価)は100円だ。つまり、会社は社長の知り合いに時価よりグッと低い価格で売ったことになる。なんと、このケース、意外なことに "会社が社長の知り合いに寄付" をしたことになるのであった。

blog.takahasikaikei.com


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法人税では時価取引が原則

なぜ、寄付になるのか?

法人税の世界では取引は "時価で" が原則です。それに当てはめると───会社はいったん時価100円で売った。でも実際にもらったのは30円。差額の70円はどこにいったかというと・・・社長の知り合いにあげた。───とこんな考え方をします。あげたんだから、その70円は寄付金になるというわけ。

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素直じゃない。わざわざややこしく考えてるだけじゃないか。こう言いたくなりますけど、これが法人税での考え方なんですね。

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寄付金には法人税がかかる

多少考え方に素直さがないのは我慢するとして(?)、法人税では寄付になるのはわかりました。でも、寄付になったっていいですよね。寄付金は経費のはず。よって利益を少なくし、結果法人税も減るからノープロブレム・・・と、じつはこうはいきません。

寄付金は、会計の世界では経費です。でも、それが税金の世界にやってくると、経費にできる枠ができてしまう。枠ができて、その枠を飛び出した金額は経費(ただしくは損金)にならなくなるんですね。枠は、とても小さい。つまり、多くの場合、寄付金には法人税がかかるというわけです。

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社長の知り合いには所得税がかかる

以上は売った会社のお話。寄付をしてもらったことになる社長の知り合いはどうなるでしょう?

社長の知り合いは100円の土地を30円で買えて、トクをしました。そのトクに税金がかかります。かかる税金は所得税。ということで、会社に税金がかかり、社長の知り合いにも税金がかかり・・・ダブルの課税です。時価での取引を心がければそんなこともなかったものを。

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身近な相手と取引をするときは、"時価で" をお忘れなく(とくに高額取引の場合)。



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