社長の為のじょりじょりわかる!税理士ブログ

ややこしいことを、ややこしくなく

配当を巡る二重課税問題序説、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


<登場人物>
しゅんすけ:中小企業の社長。だいぶ儲けた
ぜいむしょちょう:税金のかかるところはないか探したり、税金の調整をしている

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税金がかかる(1回目)

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だいぶ儲けたぞ。株主さんへお礼の配当をしなくちゃ。

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おっと、ぼくが株主だった。ぼくが配当金全部もらっていいんだ。

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おや、だいぶ儲けましたね。税金を納めてくれなくちゃ困ります。

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税金を納めたら、配当金が減っちゃった。がっかりだなー。

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税金がかかる(2回目?)

<その翌年・・・>

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配当金をもらったから、確定申告して税金を納めなくちゃ。

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んっ? そういえば、配当金はもっともらえるはずだったのに、税務署のせいで税金を納めたから減ったんだ。思い出したぞ。

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この配当金は、前に1回税金がかかって減った。今回また税金がかかって減る・・・2回目だ。2回税金がかかるなんて、これはいわゆるひとつの二重課税じゃないか!

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おやおや、そこに気づいたね。しゅんすけ君の税金はすこし負けてあげる。特別だよ。

◆ ◆ ◆

日本の税制は、配当金には二重課税が生じていると考えています。そこで、受け取る側において二重課税排除の調整(この調整を「配当控除」といいます)がなされます。受け取る側が個人の場合、一定額が納付すべき所得税額から控除されるのです。

ただし、残念ながら、配当控除によっても、二重課税が完全に排除されることはありません。

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「現代貨幣理論」序説、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


ここ数日の間に、ちがう場面で同じ理論に接しました。その名はMMT(Modern Monetary Theory)。日本語では「現代貨幣理論」ということになります。

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「現代貨幣理論」序説

MMTの特徴。それは───インフレになるまでは、政府はいくら借金をしてもOK───

うむ。なるほど。政府はいくら借金をしてもいいのね。そういう都合のいい理論は全面的に採用したい。いくらでも借金OKなら増税がどうのとか、財政再建がどうとか、プライマリーバランスだとかややこしいことは気にしなくていいわけだ。なんとなく気が大きくなる。今夜はひとつ盛大に飲みましょう。多少の飲み過ぎには目をつぶってほしい。借金は気にしなくていいわけだし。それに、今年は国際禁酒年でもないし。

とこう思ったあなた。じつは、このMMTは世界の経済学者の間で異端扱いされているらしいんですね。まともに論ずるに値しないという雰囲気すらあるといいます。ノーベル経済学賞を受賞した著名な経済学者からも相手にされていないとのこと。

うむ。なるほど。ノーベル賞もらった人がそうなのか。なんとか反論したいが・・・おれ英語しゃべれないし。今夜の飲みは中止かぁ⤵。ついついノーベル賞の前では弱気になってしまいます。


Q.MMTは、真実か? 異端か?

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MMT 現代貨幣理論とは何か (講談社選書メチエ)

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  • 作者:井上 智洋
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海外からサービスを受けたら、納税義務がリバースされて、チャージしておいた消費税を納付する義務がある⁉ の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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消費税における電気通信利用役務

消費税には、電気通信利用役務の提供についての定めがあります。電気通信利用役務の提供が海外の会社によってされ、日本の会社がそのサービスを受けた場合(BtoBの相対取引に限ります)、消費税の取り扱いがすこし変わったものになるんですね。

・・・ところで、電気通信利用役務ってなに?

インターネットを介しての電子書籍、音楽、ゲームなどの配信が典型例です。その他にもインターネットのホテルなどの予約サイトもそう。クラウドでお客さんの電子データを預かるサービスもそう。

ざっくりのイメージとしては、ネット上での各種サービス。これが消費税の世界における電気通信利用役務です。

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*電話による(継続的な)コンサルティングも電気通信利用役務に該当します。電話によるコンサルティングなるビジネスがこの世に存在するかはともかくとして、そんなアナログ的なサービスが最先端にネットサービスと同様に扱われるとは・・・ちょっと意外な感じがします。


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電気通信利用役務の提供を受けたら・・・

で、ここからが本番。冒頭で触れた消費税の取り扱い。日本の会社が海外の会社から電気通信利用役務の提供を受けたら・・・海外の会社の納税義務が日本の会社にリバースされ、なんと! 日本の会社はその取引の消費税をチャージしておいて、納付する義務がある!

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*リバースチャージ方式といいます。

って、ちょっと何言っているかよくわからない。詳しくは
No.6118 国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税関係について |消費税 |国税庁

これもちょっと何言ってるかよくわからない。

ややこしいことを抜きにしての結論としては───納税義務があるとはいえ、多くの会社は納付がある一方、それと同額の控除が受けられます。したがって、リバースチャージ方式による新たな税負担は生じない。その場合は特別な申告も不要というわけです。

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*うむ。ということは、多くの会社は電気通信利用役務のリバースチャージ方式なんて気にすることないわけか。んっ、ところで、多くの会社っていったい?


多くの会社とは、消費税の課税売上割合が95%以上の会社や簡易課税の適用を受ける会社をいいます。



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種類株式論序説、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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会社はこんな株式を発行することができる

A株式───その株式の持ち主(株主)は、会社に対して、その株式を買い取ってねと請求することができます。その請求に対して会社はノーとはいえません。取得請求権付株式といいます。

B株式───会社は、ある条件に該当したら(たとえば〇年〇月〇日になったら)その株主の持ち株を買い取ることができます。取得条項付株式といいます。

会社は、このような種類の株式を発行することができるんですね。

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命名に違和感が・・・

そうなんだ。会社はそんなことができるんだ。とこう思います。でも、なんとなくしっくりこない。両者の違いがすんなり頭に入ってきません。妙な違和感があります。なぜでしょう。

考えるに、どちらも “取得” なる言葉を使っているからじゃないか。A株式の主人公は売る側である株主。株主からのアクションに対して会社が応じます。一方のB株式の主人公は買い取る側の会社。主人公が正反対なのに、同じ “取得” という言葉を使っている。これが違和感の正体・・・なのかな。う~~ん、うまく説明できなくてもどかしい。

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*えーい、もどかしい。どうにかならんのか、もう!


でも、よく考えてみたら “取得” はどちらも「会社が取得する」(自己株式として取得する)という意味で使っています。ということは、命名に瑕疵はナシ。違和感を感じるほうがおかしいということで・・・



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なぜにあなたは減資をするの?の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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減資で資本金をゼロ円にすると、株主はいなくなる?

会社に減資という手続きがあります。減資とは資本金を減らすこと。減資により資本金をゼロ円にすることも可能です。

もし、減資で資本金をゼロ円にすると、発行済みの株式数もゼロになるような気がします。そうなると株主はいなくなる。ということは、追い出したい株主がいたら、減資をすることでその目的が果たせるじゃないか。こんなスキーム(?)が考えられます。

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その結果───なんと! 元奥さんの持ち株数に変化なし。減資と株主の持ち株数には、直接的な関係はないのです。

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なぜにあなたは減資をするの?

減資は、元奥さん株主の追い出しに使えないわけか。じゃあ、減資する意味ないな。と、こんな早合点するなかれ。

減資をすることによって、均等割なる税金を減らすことができる場合があるんですね。均等割は、利益には関係なく、会社の資本金等の額によって決まります。減資をすることによって、均等割の算定基礎になる金額が減り、その結果、均等割そのものの額も減る可能性もあるというわけ。

中小企業が減資する背景には、多くの場合こんな理由があるのです。

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中小企業の年間役員賞与の平均は、なんと! の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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中小企業の年間役員賞与の平均は、なんと!

財務省の統計によると、資本金1000万円未満の会社の平均役員賞与は39,489円。賞与ということはボーナス。ボーナスを毎月もらうことはないので、これは年額です。役員たる者の年間ボーナスがおよそ4万円とは・・・少なすぎない?

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*高給のイメージのある役員のボーナスが年間たったの4万円? 平社員の俺のほうがよっぽどもらっとるわい。役員になんてなるもんじゃないな。


でも、これにはれっきとした理由が。

原則として(*)、役員賞与は会社の損金になりません。損金にならないということは、支払っても会社の所得は減らないわけで、所得が減らなければ、法人税も減りません。よって多くの中小企業では、役員賞与はゼロ。支払っていない派が大多数なんですね。これが平均の役員賞与が低額になる理由です。
(*)「事前確定届出給与」という制度を利用することにより、役員賞与を損金とすることは可能です。しかし、その名のとおり事前に届け出る必要があるため、利用している会社はそれほど多くありません。

◆ ◆ ◆

紹介した4万円というは、全業種の平均。業種ごとの平均支給額には、当然バラつきがあります。もっとも多くの役員賞与を支給している業種は、なんと、漁業。およそ40万円です。なぜ漁業の役員賞与が平均の10倍もあるのか。こちらの理由は不明です・・・

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*高額の役員報酬を狙うなら、漁業一択か?




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これで印紙は節約できる⁉ の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


印紙というものがありますよね。一定の要件に該当する領収書や契約書などに貼る必要があります。

印紙がチェックされるのは税務調査のとき。税務調査では、取引内容確認のために契約書を見せてねと言われます。そのときに、正しい印紙が貼られているかも同時にチェックされるというわけ。もし、貼付もれがあると───本来の印紙代に加えて、プラスアルファの税金負担も生じますので、ご注意を。

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海外で作成する契約書に印紙はいらない(?)

印紙のことを決めている法律の適用地域は日本国内です。したがって、海外で作成される契約書には印紙を貼る必要はありません。ということは・・・印紙代節約のためには、契約のたびに海外で作ればOK⁉

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A:「最近、印紙代もバカになりませんな」
B:「海外で契約すれば、印紙不要だとか」
A:「それはありがたい。でも、渡航費が」
B:「いやいやいや、自力ならそれも不要」
A:「じゃあ、今後は、ひとつその方向で」
B:「持つべきものは、良き取引先ですな」
A:「お主も悪よのう。ってか。わははは」
B:「わははははははははははははははは」
A、B「わはははははははははははははは」


まさか、こんな展開はありませんが・・・。たとえば、外国法人との契約で、契約の合致場所すなわち契約場所が海外なら印紙は不要。ただし、そのためには、そのことを合理的に説明できるようにしておく必要があります(契約書に契約場所を明記する。渡航記録を保存しておく等々)。



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