社長の為のじょりじょりわかる!税理士ブログ

ややこしいことを、ややこしくなく

マネ会に寄稿しましたⅡ 今回のテーマは給与明細、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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マネ会に寄稿しましたⅡ

CyberSS様が運営するメディア、マネ会に寄稿しました。2018年2月1日につづいて2回目です。マネ会のテーマは、〝みんなでお金について考える〟。ということで、お金に関係する仕事をしている私にも、執筆のお鉢が回ってきたというわけです。ぜひ、覗いてみてくださいね。

hikakujoho.com

今回のテーマは、給与明細書の見方。時期的に、今はあたらしく社会に飛び出した社会人が初めての給与をもらった頃です。テーマとしてよかろうということで、給与明細の見方───おもには、給与から控除されるあれこれ───を探ってみました。

もちろん、この記事を読めば給与計算ができるようになる。そんな壮大な目標をもって書いたものではありません。

念頭に置いたのは、関心をもってもらいたいということ。給与明細をもらっても、一番下の手取りが額だけ見ておしまい。そうではなく、まずは控除の仕組みを知る。仕組みを知れば関心が湧きます。関心が湧けば、控除されたお金がどこへ行って、どのように使われるか知りたくなる(はず)。そのための第一歩になれば・・・。そんなことを考えながら、執筆しました。

目標がちょっとでも達成できたのならいいんですが・・・。

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 *ダメですな。寝ちゃってますがな。



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社長借入金は、時限爆弾(?)の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


中小企業の場合、会社に代表者からの借入金があることは珍しくありません(つまり、よくあるわけですね。ここでは社長借入金と呼びましょう)。じつは、社長借入金、今はあってもいいけど、将来やっかい・・・・・

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税務署の目、銀行の目

社長借入金について、税務署がとやかく言うことはあまりないでしょう。悪質な脱税の隠れ蓑につかうなんて不届き者は別にして、そうでなければ、会社の利益に影響しない社長借入金自体には、税務署は興味がないはず。

銀行の目はどうでしょう? 銀行は、ずっと塩漬けになっている社長からの借入金は、借入金(=負債)ではなく、返済不要の資本とみてくれることがあります。その場合、社長借入金はマイナス項目ではありません。つまり、あまり気にするものではないというわけ。

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 *社長借入金は、税務署も銀行も気にしていない(?)

・・・やっかいじゃないじゃん。社長借入金は、税務署からも銀行からもそういう目で見られるなら。中小企業にとって、二大気にしなきゃならない相手先の税務署と銀行がそうなら、役員借入金なんてほっぽっとけばいい。と、こう思いたくなりますかね。いや、でも、じつは───。

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社長借入金は、時限爆弾(?)

社長借入金は、裏を返せば貸付金。当の社長本人にとっては会社に対する貸付債権です。ということは社長が亡くなれば、それは遺産として相続税の課税対象となるというわけ。

数年前の基礎控除の大幅削減によって、相続税は身近な税金になりました。やっかいなのは、その貸付金を返してもらえる可能性が、低いということ。ず~~と塩漬けになっていた貸付金です。それが、社長が亡くなって、遺族が返してもらえるかといえば、その可能性は低い。

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返ってくる可能性の低いのに(つまりお金がないのに)、それに対して相続税がかかってしまう。やっかいですよね。どうにかしたくなります。このまま放置はよくない。今はいいけど、将来困る。時限爆弾みたいです。


この問題を解決するために、社長が貸付金を放棄するという方法があります。手間もいらなければ、費用もかからず。しかも、即効性あり。そんないい方法があるなら、早くやらなくちゃ!───おっと、ちょっとお待ちを!



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激変緩和措置が欲しい、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


1円。たった1円。それだけの違い。

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ホニャララ円以下なら優遇措置あり

ホニャララ円以下なら、税制の優遇措置あり。税金の世界にはこんな決まりがよくあります。何かがホニャララ円までなら優遇措置が受けられるけど、1円でも超えると受けられないというわけ。

その差は、1円。1円の違いで優遇措置がとたんに受けられなくなる。1円の違いで税金がガラッと変わってしまう。その1円をどうにかしちゃおう。つまり、なかったことにしよう。こんなことを考える不届き者は論外としても、なんとなく理不尽で不条理で、もののあはれを感じてしまいます。どうにかならないでしょうか?

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 *1円の違いで急にこうなる!

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激変緩和措置があれば・・・

激変緩和措置なるものがありますよね。急激な変化を和らげるショックアブソーバーのようなもの。そうだ! 激変緩和措置があればいい!

所得税に、配偶者特別控除なる制度があります。配偶者の所得が基準より多かったときに、配偶者控除がただちにゼロになってしまうことを防ぐ制度です。でも・・・、そんな激変緩和措置が張り巡らされていることはなく、パッと思いつく税金の世界での激変緩和措置はそれくらい(かつては消費税に限界控除制度なる激変緩和措置がありました。いまはありません)。

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 *これが激変緩和措置だ!


優遇措置にはなんらかの基準を設けざるを得ません。それがなければ、優遇措置にはなりませんからね。基準は数であることが多いでしょう。であれば、その数を1超えたら世界が変わってしまうのは〝仕方ないこと〟ですかね。

理論的にどうかと置いといて、心情的には、税金の決まりに激変緩和措置があればなあ、とおもってしまいます。1円でガラッと変わってしまう世界を見るにつけ。



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日米租税制度比較論序説、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


最長10年、最低限残す黒字は50%。かたや、無期限、最低限残す黒字は20%。

さて、これがなにかといえば、日米の法人税における欠損金繰越制度の比較です。前者が日本。後者がアメリカ。

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欠損金、将来へ持っていける期間は?

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日本では、欠損金が出た場合(赤字になったときですね)、それを将来に持っていける期間は、最長10年です。第1期、赤字が出た。第2期は黒字。第2期は黒字と赤字を相殺する。残った赤字は第3期以降へ。こういう具合に将来に持っていける期間が10年というわけです。もし、10年経っても相殺しきれない赤字が残っていたら・・・。それは切り捨て。なかったことになります。

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対して、アメリカ。こちらは期限なし。無制限で赤字を繰り越していけます。つまり、なかったことになる金額はありえないというわけです。

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黒字と相殺することのできる金額は?

繰り越していける期間はアメリカのほうが有利ですね。では、実際にどのくらい黒字と相殺できるのかいうと───

■前期からの繰り越してきた赤字:200、当期の黒字:80
繰り越してきた赤字のほうが大きいので、当期の黒字は相殺されてゼロになる。素直に考えればこうなります。でも、じつは日米とも、それはできないんですね。赤字と相殺後、最低限残すべき黒字が決まっているのです。

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最低限、黒字の50%を残す。ゆえに当期の黒字は40。相殺した赤字は40。次期繰り越し欠損金は160。
*ただし、中小企業にはこのような制限はありません。相殺によって黒字をゼロにすることができます。中小企業は優遇されているわけですね。

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最低限、黒字の20%を残す。ゆえに当期の黒字は16。相殺した赤字は64。次期繰り越し欠損金は136。
*日本のような中小企業に対する優遇措置があるか? 残念ながら不明でした。


ということで、欠損金については、繰り越していける期間、相殺することのできる金額、どちらをとってもアメリカのほうが有利なようですね。
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 *男「ちょっといまからアメリカ行って会社設立してくる」

でも、これは表面的な比較でしかありません。日米は課税ベースが異なるので、単純な比較は意味ないのです(この期に及んでそれを言う)。



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中小企業の事業承継問題。新聞に載ったある先輩の言葉、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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中小企業の消滅は日本経済の衰退につながる?

中小企業の事業承継 ── 経営のバトンタッチ ── をどうするか。これが、大きな課題になっています。事業承継がうまくいかなければ、 会社が消滅してしまう。中小企業の消滅は雇用を喪失させ、地域経済ひいては日本経済をも衰退させることにもつながる。
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 *中小企業の経営のバトンタッチが日本経済の大きな課題

そんなオーバーな。大企業じゃないんだし。そう思いますかね。でも、会社の数。加えて、そこで働いている人の数。とちらも、圧倒的に中小企業のほうが多いんですね。もちろん、大企業に比べて、です。

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対策は出てきてるけど、それは・・・

そういう意味では、中小企業の事業承継問題が日本経済へ与える影響はとても大きいんですね。事業承継が不調で会社がなくなってしまうなんて、一斉に起きることではありません(当たり前ですね)。でも、真綿で首を絞めるように徐々に減っていく。気がついたら・・・。このほうが始末が悪いといえるわけで。

そんな問題を放置しておくわけにはいかん。国としての対策がつぎつぎに出てきました。事業承継のときの税金を猶予する制度。あるいは、事業承継した会社に対する補助金の助成制度。

でも、それらの制度はバトンを引き継ぐ後継者がいて、はじめて機能することなんですね。

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新聞に載った、ある先輩の言葉

じつは、中小企業の事業承継問題の根っこにあるのは、そもそもバトンを引き継ぐ人がいないという問題です。中小企業のおやじになるくらいなら、勤め人のほうがいい。なにもリスクを背負って社長にならなくても・・・。そんな引き継ぐ側にいる人たちの意識の問題。そちらを先にどうにかなければなりません。


日経新聞に、こんな言葉が載っていました(2018/4/10「私見卓見」)。

───小なりといえども、長年の信用や取引基盤を活用できる立場は、新しい事業分野に転進するにしても、全くゼロから起業するよりも成功確率は高い。その過程では苦しいことも当然あるが、それを上回る充実感が必ずある───

外資系コンサルティング会社から老舗の家業を受け継いだ、事業承継の先輩の言葉です。
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そのことだけ考えればそうだけど・・・、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


わたしは税理士です。ですから、お客さんの意思決定の場面でアドバイスするときは、まず税金はどうなるかということから入ります。当たり前ですかね。でも、同時に「そのことだけ考えばそうだけど・・・」と付け加えることも心がけています。たとえば、法人成りで考えてみると。

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法人成り。税金では・・・

法人成り。個人事業主が法人化することですね。事業が順調にきているから法人成りするのであって、そういった場合では、税金面では法人のほうが有利です。法人のほうが税金がすくなくて済むというわけ。

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───法人成りは税金面で有利なのね。よし、じゃあ、さっそく法人成りだ! ・・・いや、確かに「そのことだけ考えればそうだけど・・・」

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法人になると社会保険の負担が新たに増える

法人になると、個人事業時代にはなかった負担が新たに増えます。社会保険料の負担です。個人事業の場合は、従業員が4人までなら社会保険への加入義務はないんですね。任意というわけです。でも、法人は社会保険へ入らなければならない。たとえ会社にあなたひとりしかいなくても。

社会保険に加入するということは、会社も社会保険料を負担するということ。給与の額によっては、税金でのメリットを吹き飛ばすくらいの負担になるかもしれない。

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───法人になると社会保険料の負担が増えるのか。じゃあ、法人成りはやめだ! ・・・いや、確かに「そのことだけ考えればそうだけど・・・」

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世間の目(?)も気にすれば、

お金のこと以外で気にしなければならないのは、世間の目(?)。個人事業主の名刺より会社の代表者の名刺のほうが信用してもらえる面はあるはず。法人でなければ取引をしてもらえないことだってなきにしもあらずです。───そうだよね。じゃあ、やっぱり法人成りだ!


どうしたらいいんでしょう? あちら立てればこちらが立たず。帯に短しタスキに長し(←ちょっとちがうか?)。
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ある面からみれば有利だけど、ほかの視点からだと不利になる。こういったことはいくらであります。そのときは、総合的に判断するしかない。不利な面、有利な面それぞれあることを承知したうえで、総合的に考えて断を下す。いったん判断したら、不利な面のことは忘れる。これしかありません。

できればいいんですけど、いいとこ取りはできないのですから。



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〝ホニャララとみなす〟は、白を黒としてしまうこと、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


〝ホニャララとみなす〟なんて言い回しがありますよね。税金の世界でもよくお目にかかります。

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〝みなす〟は強力

たとえば、人が亡くなったときの生命保険金。この生命保険金は亡くなった人固有の財産ではありません。ですから本来ならそれに相続税をかけるべきではない。でも、税法ではそれを相続財産と〝みなして〟いるんですね。結果、生命保険金に相続税がかかることに。税金の世界では、生命保険金は(本当は相続財産じゃないけど)相続財産ということになるのです。

このように、法律用語としての〝みなす〟というのは、本当はそうじゃなけど、そういうことにするという意味。法律の力業(ちからわざ)によって、そういうことにするわけですね。

わざわざそういうことにするわけですから、〝みなす〟は強力です。白を黒だと言っているんだ。反論の入り込むスキはないぜ。とこういうわけ。

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*本当はラブレターじゃないけど、そういうことにして受け取ってくれ。そのほうがきみだって受け取りやすいだろ。な?


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〝推定する〟は覆る可能性がある

〝みなす〟に似た言い回しで、〝推定する〟というものがあります。こちらは「そうなんじゃないの?」ということ。〝みなす〟のように強くない。覆す何かがあれば、推定はあっさり覆されるのが〝推定する〟なのです。

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 *いけると推定してチャレンジしたけど、見事撃沈したようですな



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