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中小企業の実効税率 < 大企業の実効税率、のはずが・・・、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


*この記事において、
大企業⇒資本金1億円超の会社、中小企業⇒資本金1億円以下の会社。用いている税率は東京都のもの。

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新聞などでたまに見かける実効税率という言葉。実効税率というわりには、利益×実効税率の税金を支払うわけではないという、ちょっと意味不明のところがある言葉です。それに、中小企業の実効税率は大企業よりも低いはずなのに、なぜか逆転することがあるようで・・・
 
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中小企業の実効税率 < 大企業の実効税率、のはずが・・・

中小企業の実効税率は大企業のものより低くなっています。これは納得です。大企業に比べて経済的基盤の弱い中小企業の税金が少なくなるわけで、中小企業の保護・育成につながります。ところが! 利益があるラインを超えると中小企業の実効税率のほうが高くなる! たとえば、

利益1,000万円のときの実効税率:大企業⇒30.86%、中小企業⇒21.40%
利益5,000万円のときの実効税率:大企業⇒30.86%、中小企業⇒32.98%

由々しき問題だ! 中小企業保護政策はまやかしか! やっぱり大企業優遇じゃないか! こう言いたくなります。──でも、それでもやっぱり、税金の世界では中小企業のほうが優遇されているんです。その理由は、外形標準課税にあり。

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ご安心を。中小企業はしっかりと保護されています。

事業税には、利益に対してかかるものとそうじゃないものがあります。そうじゃないもの。つまり、利益に関係なく支払う税金を外形標準課税といいます。まあ、まったく関係ないとはいえないけれど、おおむね関係ない。外形標準課税を支払うのは、大企業だけです。中小企業にはかかりません(←中小企業が優遇されている理由)。

大企業だけにかかるのが外形標準課税。でも、そのかわり、大企業は利益に応じて支払う税金が優遇されるのです。つまり、事業税の利益に対する税率だけでいえば、「大企業の税率中小企業の税率」。利益が大きくなると、ここのところがクローズアップされて、中小企業の実効税率のほうが高くなる(←実効税率が逆転する理由)。

とそんなこんなの理由があり、決して大企業優遇ではないんですね。利益に対する税金は中小企業のほうが多くなることはあるかもしれません。でも大企業は、それ以外で(つまり外形標準課税によって)より多くの税金を支払っているのですから。ひとまずはご安心(?)を。



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