社長の為のじょりじょりわかる!税理士ブログ

ややこしいことを、ややこしくなく

すべては、おやじの死から始まった──所有者不明土地問題概説Ⅰ── の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


最近よく耳にする〝所有者不明土地〟問題。持ち主のわからない土地が日本の国土の約20%、九州に相当する面積あるという問題です。びっくりですね。そんなにあるとは。でも、まてよ。土地には登記簿があって、誰のものかはっきりしているはずでは? 持ち主〝不明〟とはいったい?

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すべては、おやじの死から始まった

●おやじが死んだ──
長男:おやじ名義の土地どうする?
次男:兄貴が引き継げばいいだろ。
三男:ああ、俺もかまわないよ。
長男:ひどくあっさり決まったな。てことはあとやることは俺名義の登記だな。
次男:登記は義務じゃないらしいぞ。
長男:なに⁉ そうなの? 早く言ってよ。じゃ、登記はやめだ。金かかるし。売るつもりないし。あっ、でもお前ら、後から「おれの土地だ」なんて言い出すんじゃないだろうな。
次男、三男:大丈夫、大丈夫。言わない、言わない。
長男:じゃ、名義はおやじのままで。内々には俺のもの。いいな。
次男、三男:異議な~し

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 *特に支障はないので、名義はおやじのままで決定!←これがすべての始まり

●時は経ち、長男・次男・三男誰もいなくなった──
(孫Aの独白)
田舎にじいさん名義の土地があるらしいんだ。別に欲しくないけどさ。そのままでいいのかなと思って。なになに? 誰かの名義にするには、兄弟、いとこが全員集まって、話し合って決めなきゃならないだって? いとこなんて馴染みないなあ。どこにいるかも知らないくらいだし。まっ、名義はじいさんのままでいいか。別に欲しくないからさ。あんな田舎の土地。
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 *結局、孫世代でも名義おやじのまま

●さらに時は経ち、孫たちは誰もいなくなった──
(ひ孫Xの独白)
ひいじいちゃん名義の土地、俺のものにしたいんだ。超極秘情報があってね。あの土地これから値上がり必至なのよ。どうにかして俺のものにならないかな。まっ、情報は俺しか知らないわけだからな。正攻法でいくか。なに? あの土地を俺の名義にするには、兄弟、いとこ、またいとこ全員の実印がいるんだって? ひとりも漏らさず?・・・・・なんだよそれ。またいとこってなんだよ? 誰だよ? 何人いるのよ? どこにいるのよ? わけわかんないよ。名義変えられないじゃん! 俺のものにならないじゃん! 俺のものにならないじゃ~ん!
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 *結局、ひ孫世代でも名義おやじのまま

●そして、名義はおやじのまま、ひ孫たちは誰もいなくなった──

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土地は、所有者不明へ

こうして、相続にともなう名義変更がされないまま数世代が経過。その結果、できあがる(?)のが〝所有者不明土地〟なんですね。つまり、持ち主(というか、もとの持ち主の相続人)がいっぱいいすぎて、わけわからん。←これが所有者不明土地の本質です。

むかしむかし、登記簿上の所有者(=持ち主)が死亡→名義変更なし→数世代が経過→持ち主の相続人がいっぱい(数十人、ケースによっては100名以上)

所有者不明土地は、地域にとって決して望ましいものではありません。


つづく


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