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土地の買い取りがままならない──所有者不明土地問題概説Ⅱ── の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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公共事業の土地の買い取りがままならない

その男が死んだのは、半世紀を優に超えるほどむかしのこと。それ以来、その男名義の土地は、名義が変えられないまま数世代が経過したのであった。そして、現在(いま)──、

(市の公共事業担当職員と上司の会話)
職員:この公共事業のためには、あの土地の買い取りが大前提です。
上司:よしっ、名義人に連絡して買い取りの申し出だ!
職員:それが問題がありまして・・・。名義人はとうのむかしに亡くなっています。
上司:なにが問題だ? 名義人の相続人に連絡すればすむことだ。
職員:それが問題でして・・・。名義人は先々々々代で、相続人が・・・
上司:相続人がどうした? いないのか?
職員:逆です。逆です。いっぱいです。いすぎです。相続人は50人います。
上司:なにっ⁉
職員:ひとりはA国にいます。ご存知のとおりA国はいま内戦状態で、我が国との通信手段は途絶しています。
上司:なにっ⁉
職員:海外を放浪する相続人がいます。ボヘミアンです。連絡はつきません。
上司:なにっ⁉
職員:国際的な陰謀事件に巻き込まれて行方不明の相続人がいます。スパイに頼んでも連絡は無理です。
上司:なにっ⁉
職員:世捨て人になった相続人がいます。連絡は困難です。
上司:なにっ⁉
職員:生死不明者の相続人がいます、さらに・・・・・

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これが、いわゆる〝所有者不明土地〟問題の本質です。土地の名義が亡くなった人のまま時が経過。土地の権利について、亡くなった人の相続人に接触しようにも、数が多い。もし、連絡がつかない相続人がいると・・・、それがたとえば用地取得といった公共事業のさまたげになってしまう。その結果放置され、土地はやがて荒廃し・・・・・。

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解決の手立てはあるのか?

こうした〝所有者不明土地〟問題で生じる経済損失額は、2040年までに6兆円規模に上るとの試算もあります。

根底にあるのは、相続登記が義務でないこと。じゃあ、登記を義務化すればすべて解決かといえば、さにあらず。たとえ義務化されても、今まで相続登記されていなかった土地の名義は、そのままの可能性が大。多数いる相続人のうちの誰かのものにするのは、現実的に不可能に近い場合がありますから。

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