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ややこしいことを、ややこしくなく

日米租税制度比較論序説、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


最長10年、最低限残す黒字は50%。かたや、無期限、最低限残す黒字は20%。

さて、これがなにかといえば、日米の法人税における欠損金繰越制度の比較です。前者が日本。後者がアメリカ。

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欠損金、将来へ持っていける期間は?

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日本では、欠損金が出た場合(赤字になったときですね)、それを将来に持っていける期間は、最長10年です。第1期、赤字が出た。第2期は黒字。第2期は黒字と赤字を相殺する。残った赤字は第3期以降へ。こういう具合に将来に持っていける期間が10年というわけです。もし、10年経っても相殺しきれない赤字が残っていたら・・・。それは切り捨て。なかったことになります。

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対して、アメリカ。こちらは期限なし。無制限で赤字を繰り越していけます。つまり、なかったことになる金額はありえないというわけです。

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黒字と相殺することのできる金額は?

繰り越していける期間はアメリカのほうが有利ですね。では、実際にどのくらい黒字と相殺できるのかいうと───

■前期からの繰り越してきた赤字:200、当期の黒字:80
繰り越してきた赤字のほうが大きいので、当期の黒字は相殺されてゼロになる。素直に考えればこうなります。でも、じつは日米とも、それはできないんですね。赤字と相殺後、最低限残すべき黒字が決まっているのです。

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最低限、黒字の50%を残す。ゆえに当期の黒字は40。相殺した赤字は40。次期繰り越し欠損金は160。
*ただし、中小企業にはこのような制限はありません。相殺によって黒字をゼロにすることができます。中小企業は優遇されているわけですね。

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最低限、黒字の20%を残す。ゆえに当期の黒字は16。相殺した赤字は64。次期繰り越し欠損金は136。
*日本のような中小企業に対する優遇措置があるか? 残念ながら不明でした。


ということで、欠損金については、繰り越していける期間、相殺することのできる金額、どちらをとってもアメリカのほうが有利なようですね。
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 *男「ちょっといまからアメリカ行って会社設立してくる」

でも、これは表面的な比較でしかありません。日米は課税ベースが異なるので、単純な比較は意味ないのです(この期に及んでそれを言う)。



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