社長のためのじょりじょりわかる!税理士ブログ

ややこしいことを、ややこしくなく

丑から寅へ、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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丑から寅へ

あたらしい年になりました。遅ればせながら今回が2022年最初の投稿です。

昨年(2021年)の干支を覚えていますか? ・・・・・すぐには出てきませんかね。丑が正解です。干支なんて、年賀状の図柄を考えるときしか気にしませんからそれも当然。

牛には、ゆっくり、のんびりといったイメージがあります。とはいえ、現代は万事が迅速、スピード重視の時代です。急げや急げ、やれ急げ。のんびりしていたら、取り残されるぞ。牛のようには生きにくい世の中かもしれませんね。そんな牛から連想される言葉があります。バングラデシュに伝わるものです。1年間お世話になった(?)牛に感謝を込めて、それを紹介しましょう。

────ゆっくり歩いて休まない。そんな人にはだれも敵(かな)わない────

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さて、今年は寅年です。

「虎を描いて猫に類す」。こんな成句があります。あまり、なじみはないですよね。意味は────勇猛な虎を描こうとして、猫のようになってしまう。転じて、力量のない者がすぐれた人のまねをして、かえって軽薄になることのたとえ。また、目標が大きすぎて失敗することのたとえ。

ほんとうは、「猫に類す」ではなく、「狗(いぬ)に類す」だといいます。まあ、それはともかく、要は、身の丈に合ったことをしましょうという戒めです。

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*虎を描いて猫に類す

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特別なことをしなくてもいい。自分の身の丈に合ったことをただ続けるだけ。もしかしたら、それが並外れた結果にむすびつくかもしれません。

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─────並外れた結果を出すために、並外れたことをする必要はない─────
ウォーレン・バフェット(アメリカの著名な投資家。別名「オマハの賢人」)


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*Thank You!


もってうまれた自分の性分で精一ぱいに生きるほか、人間、仕方がない、の巻

もってうまれた自分の性分で精一ぱいに生きるほか、人間、仕方がない
────「燃えよ剣」(司馬遼太郎)*1より


どうも人は、他人をうらやむようにできているらしい。たとえば─────ああ、おれに大谷翔平の半分、いやそんな図々しいことはいわない。せめて1/10でも野球の才能があればなあ。いまごろはメジャーリーグで4、5本ホームラン打ってるのに・・・。こんなことを思うわけです。でも、どんなに強く思おうとも、それはムリ。


もってうまれた自分の性分で精一ぱいに生きるほか、人間、仕方がない。司馬遼太郎が「燃えよ剣」の中で新選組の沖田総司にこう語らせています。そのとおりだなと深く思います。人は与えられた器の中で、最高の自分になるよう努力するしかない。それがどんな自分か、わからなくても。

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*「燃えよ剣」⇒新選組⇒幕末⇒文春文庫「幕末」⇒表紙の絵(風間完)の模写

*1:*「燃えよ剣」は、司馬遼太郎が自身もっとも気に入っている作品としてその名を挙げています。単純に土方歳三が好きなんでしょうね。死の直前、官軍に誰何(すいか)された歳三が、函館政府での肩書きではなく、幕末の京都を震撼させた「新選組副長」を名乗る場面がかっこいい。

電子取引データはデータのまま保存せよ←2年延期になりました、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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電子取引データはデータのまま保存せよ←2年延期になりました

いま、税理士業界での話題の主役は、消費税のインボイス制度と電子取引データはデータのまま保存せよとの改正。

前者には、まだ時間的な余裕があります。これに対し、データのまま保存せよとの改正は、来年(2022年)1月から始まるもので、時間がない。そもそもそんなふうに変わることを知らない会社もすくなくないし、知っている会社でも、なにしていいかよくわからない・・・。混乱しそうだなと思っていたところ─────2年間延びることが決まりました。

電子取引データは、データのまま保存しなければならない。こうなるのは、2024年(令和6年)1月からになります。それまでは、いままでどおり。

■電子取引データは、データのまま保存しなければならない
念のために───紙の書類までもデジタル化してデータで保存しなければならないということではありません。
データでの保存が必須なのは、最初から最後まで、紙が一切登場しない取引。データのみで完結する取引です。紙の書類が登場する取引は、2年後以降もその紙を保存すればOKです。

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*延期の背景には、このようなデジタル化に逆行するような意見もあることが影響したようです。

“なにもしない” ということをした(ちょっと哲学的)会社の場合、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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消費税がかかるのは、資産の譲渡・貸付、役務の提供

消費税がかかるのは、モノを売ったとき・貸したとき、なにかをしたときです。あらたまった席では、資産の譲渡・貸付、役務の提供という言い方をします。

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あなたは、ある会社との取引を目論(もくろ)んでいます。でも、まだ計画の段階。その会社に営業を仕掛けているわけではありません。ところが、地獄耳のA社長がそのことを聞きつけ、あなたの会社にやってきました。A社長とはかねてからの顔なじみです。A社長は、こう言います────その会社との取引は、我が社も命運をかけて取り組もうとしている。今回のところは、あきらめてくれないか。もちろん、相応のお礼はするから。

あなたは、その頼みを聞き入れ、その件からは手を引きました。いや、手を引いたというのは正確ではありません。要は、なにもしなかった。でも、そんなあなたの会社に、A社長はお礼を振り込んできました。

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*あなたは、なにもしなかった・・・

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さて、あなたのA社長がもらったそのお金、会社の収入になるのは当然として、消費税はかかるのでしょうか。

かからないような気がしますかね。あなたの会社は、なにもしていません。なにかをしたときに(役務を提供したときに)もらったお金にかかるのが消費税です。なにもしなかったあなたの会社に消費税はかからない! といいたいところですが────じつは、消費税はかかるのです。

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なぜなら、あなたの会社は、“なにもしない” ということをしたから。“なにもしない” からこそお金がもらえたわけで、いわれのないお金ではありません。やはり、そこには “なにもしない” という役務の提供があったとみるのが相当。

“なにも知らないことを知っている” みたいで、ちょっと哲学的ですね。

では、もし、ほんとうになにもしていなのに、突然どこかからお金が振り込まれてきたら・・・それは、いわれのないお金ですからさすがに消費税はかかりません(おそらくは誤入金。とりあえずは、収入にもせずに様子見ですね)。“なにもしていない” の意味がちがいます。

飲みニケーションは不要が6割、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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飲みニケーションは不要が6割

最近新聞報道され、いろいろなところで話題になっているようです。なにかといえば、「飲みニケーション」の支持率。いらない派が6割に達して、はじめて、必要派を上回ったらしい。こんなところにも、新型コロナウイルスによる人々の意識の変化がでたなどと分析されています。

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*古来行われてきた、日本の伝統的な飲みニケーションのようす

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わたしがこの報道に接して、まず気になったのは割合の大小ではなく、それは────飲みニケーションなる言葉。とはいえ、言葉自体についてではありません。

こういう言葉が、新聞の見出しにふつうに使われているというのはおもしろいなあと思ったわけです。記事の中にも、「飲みニケーションに疑問を持つ人が増えた」「(コロナ禍が収束すれば)飲みニケーションは再評価されるだろう」などという評論家のコメントが載っています。お堅い新聞と、それに大真面目にコメントする評論家が使う飲みニケーションという言葉のギャップ。そこに、そこはかとないユーモアを感じた次第です。

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さっそく、この件についてある会社で話題になりました。社長は必要派のようです。社長憂いて、いわく。「外国ではみんな飲みニケーションしているんだ。日本はもっと飲みニケーションすべきなんだ。このままでは、国力が衰退してしまう。あっという間に〇〇〇(某国名。特に名を秘す)あたりに抜かれてしまうぞ」

恐るべし、飲みニケーション。さて、あなたは、飲みニケーションいらない派? それとも必要派?

(続)あなたは、会社のお金で息子の授業料を支払った、の巻

町田の税理士 高橋浩之 です。


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会社のお金で、息子の授業料を支払った─────

(前回のあらすじ)
あなたは会社の社長。会社とは一切関係のない息子の大学の授業料を、なんと、会社から直接大学に支払ってしまいました。しかも、1年分まとめて。さて、この支払い、会社としてどのように扱えばいいのでしょうか。まさか、経費にはならないですよね?
blog.takahasikaikei.com

ところが、じつはこれ、会社の経費で問題なし。なぜなら────

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このケースのように、会社がだれかの個人的な支払いをすると、それはその人に給与を支払ったと同じと考えます。その人に、なにがしかの利益を与えたわけですからね。このケースで利益を受けたのは社長の息子・・・ではなく、社長です。つまり、社長に対する給与(広い意味で「現物給与」といえます)。現物給与も、給与であることにちがいはないので、経費になるというわけ。

とはいえ(と、ここから急にマニアックになる)、相手は社長です。社長に対する給与にはいろいろ制約があったはず。毎月一定額じゃなくちゃいかんとか、昇給は決まった時期までにしなさいとか、ボーナスはダメだとか。今回の現物給与は、これらに反するように思えます。─────でも、だいじょうぶ。

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ふつうの社長給与(お金で社長に渡す給与)には、たしかにさきほどのような制約があります。でも、現物給与にはそのような制約はありません。その人が受ける利益が毎月おおむね一定であればいいのです。

授業料の支払いによって学校から提供される教育の量(?)は月によって大きく変わらない。毎月だいたい同じです。つまり、受ける利益が毎月同じというわけで、社長に対する現物給与として経費として問題なしというわけです。

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*受ける教育の量は、毎月同じだ!

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なんとなく、わかったようなわからないような・・・スッキリしないですかね。教育の量が月によって大きく変わらないといったって、夏休みはどうするんだ? こう思うあなたは、つぎのリンクをご覧ください。

法人が役員の子の授業料を一括して支出した場合(定期同額給与)|国税庁


ただし、社長個人に所得税がかかることには、ご留意を。