町田市の税理士 高橋浩之 です。
会社が社長個人からお金を借りる。
中小企業の場合、珍しいことではありません。
わたしたちの会計事務所のお客さまでみてみると、およそ66%(3分の2)の会社が社長個人から借り入れをしています。
■社長から借り入れをしていると、どうみられるのか?
社長個人から借り入れをしていると、社外の目にはどう映るんでしょうか。
中小企業に対する社外の目というと銀行と税務署しかありませんよね。
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社外の目にはどう映るのかを見る前に、まずは、一般的な社長からの借入金の条件から。
*「・・・こんな好条件ほかにありまっか?」ふつう条件なんて決めませんが、実際はこんなかんじが多いです。
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<銀行の目>
会社が社長からの借入金を定期的に返済している例は稀です。
「あるとき払い」もせずに「催促なし」のままになっていることが多いです。
こうなると、名目は借入金でも、実体は資本金(返さなくていいお金)に近くなります。
銀行によっては、そんな実体に着目して社長からの借入金を資本とみてくれることがあります。
その場合は、資本であって負債ではないので、銀行の査定上、会社が不利なことにはなりません。
<税務署の目>
借入金ですから、もらったわけではないので、会社の収入になりません。
もちろん税金もかかりません。
社長からの借入金は税金に関係しないので、税務署は無関心、でしょうか?
ところが、本来会社に入金すべき売上を個人の通帳に入金させて、その分を貸付金(会社からすると借入金)として会社に還流されているケースがゼロではないらしいのです。
これは、悪質な脱税です。
そういう疑いをもてば、税務署は社長からの借入金に関心を示します。
でも、そういうことがなければ、もとに戻って、無関心です。