町田市の税理士 高橋浩之 です。
(場 所)
居酒屋の個室
(登場人物)
小泉:簡易課税を選択している会社の社長
桐島:小泉の親友。経営する会社は同じく簡易課税を選択している
桐島、簡易やめられないってよ
税務署に納める消費税は、預かった消費税から、負担した消費税を差し引いた残りです。
負担した消費税の計算方法には、原則と簡易課税の2種類があります。
さて、小泉と桐島はともに会社の社長。2人とも簡易課税を選択しています。
小泉:久しぶり。最近どう?
桐島:相変わらず、カン違いが多くてさ。この間もうちへ帰って今日はすき焼きかぁ、豪勢だなと思ったら隣のうちの匂いでさ。よくあるだろ、そういうカン違い。
小泉:いや、あまりないが。ところで、相談ってなんだい?
桐島:この間も、焼き魚かぁと思ったらさ・・・
小泉:おい、話を逸らすなよ。言えよ。話があるって言ったのおまえだろ。
桐島:実は・・・
小泉:何だい? 何でも言えよ。親友だろ。
桐島:実は、(意を決したように)おれ、簡易課税やめようと思って。
小泉:なっ、何だって?
桐島:いや、簡易課税やめようと思って。
小泉:どうして?一緒に簡易課税選択したじゃん。ずっと簡易課税でいこうって約束したじゃん。
桐島:いや・・・
小泉:前々年度の課税売上高が5,000万円を超えたなら、簡易課税やりたくたって無理だけどさ。そうじゃないだろ。
桐島:試算したら、原則の方が有利みたいなんだ。
小泉:そ、そんな・・・。
桐島:自分で試算して、自分で考えた結論だ。おまえには悪いが、簡易課税・・・やめるよ。今期からな。
小泉:今期から? ぷっ、ハッハッハッ。こいつぁいい。
*小泉「ぷっ、ハッハッハッ。こいつぁいい」
桐島:何がおかしい!?
小泉:お前は、やっぱり、ほんとにカン違い野郎だな。
桐島:なに!?
小泉:お前の会社、今期は簡易課税だよ。簡易課税やめらないよ。なぜなら・・・
なぜなら・・・、考えられる理由は2つあります。
<考えられる理由その1>
■簡易課税を選択して、まだ2年が経過していない
簡易課税を選択したら、2年間はやめることはできません。
<考えられる理由その2>
■「簡易課税制度選択不適用届出書」を期日までに提出していない
簡易課税をやめるためには、やめたい年度の前年度末までに届出書を税務署へ提出しなければなりません。
桐島:そうだったのか。
小泉:そういうわけだ。まぁゆっくり飲もうや。
桐島:うん。おっ、すき焼き鍋が来たかな、・・・って隣の席のかよ。
小泉:おいおい、俺たちすき焼き鍋頼んでないから!
*桐島「いや~、またカン違いだったね」
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