町田市の税理士 高橋浩之 です。
寓話というのは、読み手によってさまざまに解釈することができます。どこかで聞いたようなお話をちょっとアレンジしてみました。あなたはどのように解釈するでしょうか?
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「赤字が出たぞ~!」赤字と経理部の男、の巻
ある会社の経理部に男がいた。くる日もくる日もおなじ業務の繰り返し。男はあきあきしてしまい、ちょっといたずらをしたくなった。男は、大声を上げた。
「たいへんだ! 赤字が出た! 赤字が出た! 今期は赤字だぞ~!」
*「赤字が出た! 赤字が出た! 赤字が出たぞ~!」
その会社では、「チャレンジ」と称して、経営トップが定例会議の席で目標達成や収益改善を過剰に求める利益至上主義の体質があった。トップの社長は「市場に黒字を約束した」「なにがなんでも利益を死守しろ!」と社内で指示をしていたのだ。そんな社長に、赤字だなんて報告はできない。経理担当役員をはじめ、上役が驚いてやってきた。お偉いさんたちががん首そろえてやってきたようすを見て、男は大爆笑。
*あわててやってきた経理担当役員のようすを見て男は大爆笑!
味をしめた男は、翌期もまた大声を上げた。「赤字が出た! 赤字が出た! 今期は赤字だぞ~!」経理担当役員があわててやってきた。男はそれを見て、またもや大爆笑。
*翌期も男の爆笑はとまらない!
ところがある年、本当に赤字がでたのだ。男は顔色を変えて、大声をあげた。「赤字だ! 赤字だ! 本当の本当に赤字だよ~!」けれどもみなは、知らんぷり。うそつき男を誰も信じなかったのである。
かわいそうに、会社は気づくのが遅すぎた。もうすこし早く赤字だとわかっていれば手も打てたのに・・・。社長に赤字の報告はできない。会社は、不正会計に手を染めた。利益の水増しだ。発覚するや当然それは大問題に発展した。番組提供している国民的アニメ番組にもクレームが届く始末。まったく磯野家にはとんだ災難だ。
思わぬことでとばっちりを受けることは避けられない、ということをこのお話は教えてくれる。
*以上は、ことし、株式市場の信頼性を揺るがすまでに発展した某総合電機メーカーの不正会計問題の真相・・・のはずないね。
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