町田市の税理士 高橋浩之 です。
税金を少なくしたいことの喩えとして、「1円でも安く」なんて言い方をすることがあります。ところが、実際には、税金は〝1円だけ〟安くすることはできないんですね。それは支払いのときには100円未満の端数を切り捨てるから。税金が減っていく基準は100円単位なのです。
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控除が1円増えただけなのに、税金の対象が1,000円減ることがある
税金の支払いは、100円単位で減ったり増えたりします。これに対して税金の対象となる金額(⇒税率を掛け算する金額)は、1,000円単位で減ったり増えたりするんですね。なぜかというと、税金の対象となる金額は1,000円未満の端数を切り捨てるから。
ということは、控除になる金額が1円増えただけなのに、税金の対象となる金額が1,000円減る。こんなことが起こりうる!(囲み記事参照)
*1円がなんと1,000円に!?こたえられないね。
たとえば、もともとの税金の対象金額100万円。これが、1円控除が増えると999,999円になる。さらに1,000円未満は切り捨てなので、999,000円に。1円控除が増えて、税金の対象金額が100万円⇒999,000円、マイナス1,000円というわけ。 |
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控除が1円増えただけなのに、税金が450円減る人だっている
税金は、税金の対象となる金額に税率を掛け算して出します。所得税の税率が23%の人は、1円控除が増えて税金の対象が1,000円減ったら、税金が230円減る! 所得税の最高税率は45%なのでその人は450円減る!
・・・大したことないですかね? でも、控除が1円増えただけでこの結果ですよ。1円でも税金を少なくしたいという野望は遂げられた・・・
1円を粗末にするものは1円に泣く(←ちょっと意味がちがいますかね)。1円恐るべし。1円だって邪険にせずに、控除の計算は1円までしっかりと。
*1円だって大切!
*このようなことがあり得る、というお話です。1円控除が増えると必ず税金の対象が1,000円減るわけではありません。当たり前ですが・・・。念のため。
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