町田の税理士 高橋浩之 です。
人を惹きつける物語には、「型」があるといいます。神話、むかし話からハリウッド映画にいたるまで。ストーリーをひも解いていけば、ひとつの「型」にたどり着くんだとか。人を惹きつけてやまない「型」。それは──、
──冒険への旅。困難との出会い。克服。宝物をもっての帰郷──
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高層ビルのだるま落としと工法開発の物語
高層ビルを解体するときは、上から順番に壊す。これは業界の常識らしい。そんな常識に逆らって、下から順に壊していく工法。いわば、高層ビルのだるま落とし。そんなユニークな工法の開発物語が新聞(日本経済新聞。2017/8/13)にでていました。
開発物語は、まさに「型」どおりにすすんでいきます。大反対された新しい工法へのチャレンジ(冒険への旅)。着手直前に地震への脆弱性を指摘される(困難との出会い)も、懸命の努力で耐震性を確保。そして工事の成功(克服)。手にしたのは先駆者としての経験(宝物をもっての帰郷)。
このだるま落とし方式のいいところは、粉じん、騒音が少なく、解体材のリサイクル率が上がること。さらに、作業員の落下事故も起きにくい。今は、従来工法よりコストがかかるため、普及とまではいっていないようです。でも、今後コストダウンが図られていけば、環境面、安全面で優れただるま落とし工法が、高層ビル解体の主流になるかもしれませんね!
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〝すべての真実は異端から始まる〟
業界の常識にとらわれるな。常識が〝上から〟なら、おれ達は〝下から〟だ。自由な空気、工夫する精神、やってやるという気概。この開発物語からはそんなものを感じます。
〝すべての真実は異端から始まる〟←この言葉が好きです。誰のものかはわかりません。むかしむかしの中学生のころ、雑誌で見かけて以来ずっと心の中にあります。いつの時代のどんな仕事であれ、(その業界の)常識とされていることを疑う、つまり異端児たることは何かを成し遂げるための大きな要素、ですよね。
新聞記事は、こんな言葉で締めくくられていました。〝果敢な取り組みこそが技術の進歩につながると信じている〟
*〝すべての真実は異端から始まる〟これは元世界ヘビー級チャンピオン、モハメド・アリの特集記事で、アリの顔写真の横に添えられていたもの。蝶のように舞い蜂のように刺す。ビックマウス。ベトナム戦争の徴兵拒否。すべてがその時代では異端だった。しかし、先を行くアリに時代が追いたとき、アリはアメリカ社会でもっとも愛され、もっとも尊敬されるアスリートになったのだ。
*もうひとり、異端のアスリートの紹介を。走高跳びで背面跳びを開発(?)したディック・フォスベリー。彼の奇妙な方法、背中をバーに向けて跳ぶ方法は、当初見ている人々の笑いものだったそうだ。しかし、その後のことはご存知のとおり。背面跳びは世界を席巻した。今、背面跳び以外の跳び方を我々は見ない。笑いものだったこっけいなスタイルが世界を変えたのだ。
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