町田の税理士 高橋浩之 です。
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決算では未払いの経費を計上する
会社の決算では未払いの経費を計上します。未払いの経費とは、支払いが月をまたぐ経費のこと。たとえば、3月決算の会社で、3月分の電気代が4月に口座から引き落とされた。←これが未払いの経費です。その電気代は、3月には支払っていないけど、3月の経費に取り込みます。
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会社に未払いの経費をお願いしたところ・・・
会計事務所は、会社にどんな未払いの経費があるかをすべて把握しているわけではありません(←当たり前だね)。わからないものについては聞くしかない。あるお客さんに「これとこれ以外に、未払いの経費があったら出してくださいね」こうお願いをしたところ・・・。
後日、会社のかたが資料を出してくれました。ただし──、「〇〇さん(わたしのこと)が、経費を作ってくれというから」と言いつつ──。
*おやまあ、これまた豪快に作ってきたね
んっ? 「経費を作ってくれ」と言うから?
・・・これはマズい。なぜかというと、税理士法につぎのような規定があるのです。
(脱税相談等の禁止) 第36条 税理士は、不正に国税若しくは地方税の賦課若しくは徴収を免れる(中略)ことにつき、指示をし、相談に応じ、その他これらに類似する行為をしてはならない。 |
「経費を作ってくれ」なんて、まるで、ありもしない経費を計上するための指示みたいじゃないか! これじゃ脱税指南だ! 税理士法第36条違反だ!
そんな指示をしたなら脱税指南です。でも、本当にそんなことを言ったのならここで書くはずもなく、ゆえにわたしは無実です(←証拠になっていない?)。
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そのかたは省略して言っていた
出していただいた資料は、未払い経費の一覧表といったもので、架空のものではありませんでした(これまた当たり前)。そのかたは「未払いの経費の資料を作ってくれと言うから」ということを省略して言ったんですね! めでたし、めでたし。
■イソップ物語風まとめ■
たとえ事実であっても(会社のかたが「経費を作ってくれというから」と言ったのは事実)、ある部分だけを切り取ると、事実と違う結果(脱税指南をしたという結果)になってしまうことを、このお話は教えてくれる。
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