町田の税理士 高橋浩之 です。
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シン所得拡大促進税制にはふたつの要件がある
2018年度の税制改正で、あたらしくなった所得拡大促進税制。これにはふたつの要件があります。
1)賃上げ率3%以上
比べるのは前年の平均給与と今年の平均給与です。これが3%以上の伸び率であること。
2)設備投資に積極的なこと
設備投資に積極的かどうかをどう示すか? もちろん〝気概で示せばいい〟わけではありません。数値的な要件───国内設備投資額が減価償却費の90%以上であること───となっています。
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中小企業はすこし要件が緩やかになる
以上は原則。ただし、中小企業に対してはすこし要件が緩やかになっています。つまり、1)の割合は半分の1.5%でOK。2)の設備投資要件は不要というわけ。
*これが、中小企業に対するシン所得拡大促進税制の要件だ!
よしっ。平均給与の1.5%アップならクリアしそうだし、設備投資は要件じゃないんだな。ウチは所得拡大促進税制の適用がありそうだわ。とこう思ったあなた、じつは最後に落とし穴が───
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じつはもうひとつ要件が───
要件を満たすかどうかのときに使うのは、平均給与。でも、実際に法人税の軽減額計算のときに使うのは、給与の支給総額なんですね。軽減額は「前期の給与総額からの増加額✖15%」で計算します。んっ? どういうこと?
平均給与が1.5%伸びている。つまり、要件はクリアです。でも、給与総額は増えていない。あり得ないことではありません。そのときに計算される軽減額は、算式に当てはめるとマイナス。軽減額は当然ゼロになります。つまり、要件を満たしていても、軽減が受けられないことがあるんですね。
ということで、中小企業向けシン所得拡大促進税制には、実質的にふたつの要件があるのです。
1)賃上げ率1.5%以上
2)前期の給与支給総額 < 当期の給与支給総額
*これでみんなニッコリ
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