町田の税理士 高橋浩之 です。
会社の会計を理解するために、すこし極端なことを書きます。
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売上代金を100年かけて受け取ることになった
あなたの会社で、100万円の売上がきまった。かかる経費は20万円です。差額は80万円。経費は、知人から受けていた出資をもとに、すぐに支払いました。一方、肝心の売上代金はというと───分割受け取りということに。ただし、なんと! 期間は100年。100年にわたるスーパー超ウルトラ長期分割受け取りという条件です。
つまり、あなたの会社は今後100年間、毎年1万円の売上代金を受け取りつづけるというわけです。
さて、ここで問題。この一連の出来事を、会計的な視点から10文字以内にまとめてください。

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模範解答は───
これが、模範解答です。
んっ? 儲かった? 儲かった感覚まったくないんですけど。今回の出来事であなたの会社の通帳残高は減ったはずです。80万円増えるのには100年かかります。儲かった感覚がまったくないのは当然です。それでも、あなたの会社は ”80万円儲かった” 。会計の世界では、あなたの会社は80万円利益を出したのです。
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会計のベースなるのは、現金の受け払いではない
会計のベースになるのは、現金の受け払いではありません。実際の現金の受け払いには関係なく、受け取りの権利あるいは支払いの義務がきまったら、それが売上になったり、経費になったりする。これが会社の会計なんですね。
ですから、100万円受け取ることがきまって、20万円支払うことがきまったのなら、儲け(=利益=黒字)は80万円です。100万円を100年かけて受け取るのも、20万円をすぐに支払うのも、それらは単に当事者間できめた決済方法であって、儲けには関係ない・・・
腑に落ちましたか? いやいや、なんとなくおかしいと思う人のほうが多いかもしれませんね。たとえ多くの人がおかしいと思おうとも・・・会社の会計はそういう考え方で処理します。あなたの会社の決算書も、そういうふうにできているのです(もちろん、100年の長期分割なんてないでしょうけど)。
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