町田の税理士 高橋浩之 です。
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全世界所得課税で、二重課税になる
日本の会社に対する課税は、全世界所得課税です。日本だけでなく、世界中のどの国での稼ぎに対しても日本の法人税がかかります。
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この全世界所得課税が思わぬ波紋を広げます。たとえば、日本の会社がアメリカに支店を出すと───アメリカ支店の利益には、全世界所得課税により日本の法人税がかかり、さらにアメリカも税金をかけてきます。アメリカにとっては、自分の領土内での利益ですから当然です(稼ぎの源のある国が課税するということで、源泉地国課税といいます)。

これは二重課税です。放置したら、日本企業の海外進出の妨げにもなります。どうにかしなくちゃ。ということで、そのような二重課税は、排除することになっています。
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二重課税を排除する方法
排除を行うのは日本。日本で納める税金から、外国で納付した税金を控除します。たとえば、全世界所得課税による税金が1000として、外国で税金を600納めているなら、日本で納付するのは、のこりの400でいいよというわけです。なるほど、これなら二重課税にならない。
一件落着です。日本の会社にとっては、この仕組みが完璧に運用されれば、二重課税は排除されます。でも、じつは一件落着じゃない人(?)がいるんですね。

ほかならぬ日本政府です。
世界中の国が、すべて同じ税率ならいいかもしれない。でも、実際は国が違えば税率もちがいます。仮に、日本よりも高い税率の国の税金を控除するとなると、なんとなく日本の政府としては損した気になる。二重課税排除の名のもと、日本の税収を犠牲にして、外国の税収確保を優先しているようなものですから。
で、結局、その控除にはいろいろと制限をかけることになる。結果、完全に二重課税が排除されることはない・・・
う~む。国と国との間のことになるとややこしいことがあるんだな。ほかに方法はないんでしょうかね?
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