もってうまれた自分の性分で精一ぱいに生きるほか、人間、仕方がない
────「燃えよ剣」(司馬遼太郎)*1より
どうも人は、他人をうらやむようにできているらしい。たとえば─────ああ、おれに大谷翔平の半分、いやそんな図々しいことはいわない。せめて1/10でも野球の才能があればなあ。いまごろはメジャーリーグで4、5本ホームラン打ってるのに・・・。こんなことを思うわけです。でも、どんなに強く思おうとも、それはムリ。
もってうまれた自分の性分で精一ぱいに生きるほか、人間、仕方がない。司馬遼太郎が「燃えよ剣」の中で新選組の沖田総司にこう語らせています。そのとおりだなと深く思います。人は与えられた器の中で、最高の自分になるよう努力するしかない。それがどんな自分か、わからなくても。

*1:*「燃えよ剣」は、司馬遼太郎が自身もっとも気に入っている作品としてその名を挙げています。単純に土方歳三が好きなんでしょうね。死の直前、官軍に誰何(すいか)された歳三が、函館政府での肩書きではなく、幕末の京都を震撼させた「新選組副長」を名乗る場面がかっこいい。